「かくも長き不在」
監督:アンリ・コルピ
1961年
三日前に見た映画である。どうにも書こうとするととんでも長くなり、かといって短くしようとするとうまくかけないので、なかなか何を書くか決めあぐねていた。
物語の解説は不要だろう。そして、この映画が撮られた歴史的背景も調べればすぐにわかることだ。
この映画は確かに素晴らしい。しかし、「ひまわり」や「ロング・エンゲージメント」といった近年の似たようなテーマを扱う作品によって、よく知る物語になってしまっている。
とにかく、この映画の素晴らしいところは、1つ1つのカットの持つリアリズムだ。カメラは俳優のセリフを映すのではなく、演技を映す。その出で立ちや、人がまとう空気を捉えようとしている。
近年、カット自体の時間が短くなってゆくに連れて、俳優のセリフとわかりやすいアクションだけを切り取った映画が増えてきている。そして、一方でより現実的な描写を求め、CGの技術に頼る。ここには、一種の矛盾があるのではないか。リアルであるということは、どういうことか。今一度考えるべきであろう。